平成24年2月 定例県議会 一般質問

1 あいち医療通訳システムについて
(質問要旨)
(1)現在実施している試行運用の状況、及び医療機関の評価はどうか、お尋ねします。

(地域振興部長答弁要旨)
あいち医療通訳システムについてのお尋ねのうち、試行運用の状況と医療機関の評価についてでございます。昨年10月1日からの試行運用に当たり、まず、通訳者の養成を行いまして、医療に関する基礎知識や通訳技術などを習得したポルトガル語、スペイン語、中国語、英語の4か国語、89名の方に活動いただいております。実施実績につきましては、52の医療機関と県・中核市の保健所などに参加いただき、本年2月20日現在で、通訳派遣が245件、電話通訳が93件の利用がございました。利用された医療機関からは、「治療がスムーズかつ短時間に行える」、あるいは「通訳がいることによって、患者に安心感を与えている」などと、評価いただいております。今回の試行により、医療機関、外国人患者ともに、大きなニーズがあることが改めて確認できましたので、この「あいち医療通訳システム」が、医療現場において大いに活用していただけるものと考えております。

(質問要旨)
(2)今後、本格実施に当たっては、試行運用の意見や要望を踏まえ、その活用を図るため、どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

(地域振興部長答弁要旨)
次に、あいち医療通訳システムの活用に向けた取り組みでございます。

試行運用では、医療機関や外国人患者の皆様から、病院紹介状などの翻訳や、タガログ語の通訳などについての要望がありましたので、来年度の本格実施におきましては、これらの事業を実施することとし、制度の一層の充実を図ることとしております。また、円滑な推進を図っていくためには、この制度の仕組みやメリット、利用者負担などについて広く知っていただくことが必要であり、さらに、国により大きく異なる医療に対する考え方や文化の違いなどについての理解を深めていただくことも重要であると考えております。このため、医療関係団体等へ会報での広報を依頼したり、外国人の方が集まる店舗等へのチラシ配布など、方法や媒体に工夫をこらしながら制度の周知に努めるとともに、専用ホームページを活用し、医療制度や生活習慣の相違点などの有益な情報を広く提供してまいります。今後とも、県内のできるだけ多くの医療機関で、この制度が活用していただけるよう、普及・拡大に全力を挙げてまいります。

(知事答弁要旨)
「あいち医療通訳システム」について、私からもお答えいたします。

4月から実施するこのシステムの特徴は、通訳の派遣と電話通訳を組み合わせていることで、これは全国初の取組であります。電話通訳を利用することにより、通訳の派遣が困難な緊急時や夜間にも対応できる仕組みとなっており、病院や保健所など、幅広い医療現場で大いに役立つものと期待しております。「あいち医療通訳システム」によって、愛知県全域で、医療通訳が利用できることとなりますので、より多くの医療機関に活用していただき、外国人の方々も安心できる医療環境の向上を目指し、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

2 ため池の地震対策について
(質問要旨)
(1)平成19年度の築水池の耐震点検調査の結果についてお尋ねします。また、地震対策工事の内容と完了はいつ頃になるのかお伺いします。

(農林基盤担当局長答弁要旨)
春日井市の農業用ため池の地震対策事業についてお尋ねをいただきました。先ず、平成19年度に実施いたしました築水池の耐震点検調査の結果でございますが、地震による堤防の崩落や基礎地盤の液状化の危険性を検討いたしましたところ、堤防について、国の基準で示されている安全率を下回っており、崩落の危険性が判明いたしました。基礎地盤の液状化については、問題ないとの結果でございました。築水池が決壊した場合の想定被害区域は38.8haで、48戸の住宅や道路、水路などの公共施設が含まれております。また、工事の内容と完了の時期でございますが、この事業は、本年度、県営防災ダム事業として国の事業採択を受けたものでございまして、工事の主な内容は、地震時の堤防の崩落を防止するため、池側と外側の基礎地盤を改良した上で、盛土を行って堤防を拡幅補強するものでございます。概算の事業費は2億5千万円、工事の完了は平成26年度を予定しております。

(質問要旨)
(2)築水池で工事を行うにあたり、環境保全についてはどのように考えているのかお伺いします。

(農林基盤担当局長答弁要旨)
次に、工事を行うにあたっての環境保全でございますが、土地改良事業では環境との調和に配慮するよう努めているところでありまして、築水池周辺の豊かな植生と良好な景観の保全に十分配慮いたしますとともに、池に生息する動植物の保護や工事で発生する濁水対策などが必要な場合には、春日井市や関係団体のご意見も伺いながら、適切に対処してまいりたいと考えております。

(質問要旨)
(3)地震対策工事は公費負担が望ましいと考えるが、事業の費用負担はどのようになっているのでしょうか。

(農林基盤担当局長答弁要旨)
次に、事業の費用負担でございますが、地震対策という極めて公共性の高い事業であることから、国が定めたガイドラインでは、国が55%、県が34%を負担し、残る11%は春日井市に負担していただきまして、農家の負担はございません。

(質問要旨)
(4)春日井市における築水池以外のため池の地震時における安全性の確認はどうなっているのかお伺いします。

(農林基盤担当局長答弁要旨)
最後に、築水池以外の春日井市のため池の地震対策でございますが、これまでに春日井市と協議のうえ規模の大きなため池5か所について耐震点検調査を行っておりまして、築水池以外の4か所につきましては、問題はございませんでした。更に、今年度1か所を調査中でございます。今後は、残るため池につきましても、春日井市と調整を図りながら、ため池下流の住宅の状況などに応じて、緊急性の高いものから順次、耐震点検調査を進めてまいりたいと考えております。

(知事答弁要旨)
また、ため池の地震対策についてご質問いただきました。東日本大震災での福島県におけるため池の決壊事故は、津波の被害や福島原発の事故とともに、前例のない非常に深刻な事態であると認識しております。都市化が進んだ本県でも、住宅地にため池が近接する地域も多く、東海・東南海・南海地震等が懸念される中で、福島県の惨事は、人ごととは考えられません。今後は、この事故の原因もよくよく勉強しながら、ため池の地震対策に一層力を入れてまいりたいと考えております。

3 行革における県有資産の利活用の取組について
(質問要旨)
(1)県は、県有資産の利活用について、どのように取り組んでおられるのか、お伺いします。

(総務部長答弁要旨)
県有資産の利活用の取組について、お尋ねをいただきました。本県は県税収入の大幅な減少により、厳しい財政状況が続いており、自主財源を確保するために、未利用財産の売却や貸付など、県有財産の有効活用に積極的に取り組んでいるところであります。まず、未利用財産の売却についてでありますが、以前は、入札の実施時期が不定期であり、また、事業用地であった土地の売却を行う建設部とは別々に、入札を実施しておりました。これを、平成22年度からは、建設部と共同で、4月、8月、12月の年3回、定期的に入札を実施するとともに、入札予定物件の一覧を年度当初に県のホームページに掲載し、買い手の購入準備期間に配慮するなど、入札に参加しやすい工夫をしております。また、入札関連情報を予め登録いただいた方々にメールでお知らせするなど、広報サービスの充実にも努めているところでございます。一方、県有財産の貸付につきましては、議員ご指摘のとおり、自動販売機の設置は、平成22年度から公募制を導入し、また、県の公共施設への広告物の掲示は、専門業者から広告掲示場所としての価値について意見を聞き取っており、現在、県営名古屋空港や運転免許試験場などにおいて実施しているところであります。この他、将来利用が見込まれる土地の一時的な有効利用策として、民間有料駐車場としての貸付けも実施しております。こうした取組みの結果、平成22年度から平成24年度当初予算案までの3か年において、約70億円の自主財源を確保しているところでございます。

(質問要旨)
(2)2点目に、県有資産の活用方法について、内部だけの検討に留まらず、民間も巻き込んでの新たな取組が必要であると考えますが、そうした取組を含め、県は今後、どのように取り組んでいかれるのか、お伺いします。

(総務部長答弁要旨)
次に、今後の取組についてでございます。県有資産の利活用の検討に当たっては、民間ニーズを的確に把握するとともに、民間の知恵・ノウハウを積極的に取り入れながら、新たな視点で幅広く取組を進めていくことが重要であると考えております。このため、県の一時的な未利用地に、店舗経営者が土地を購入する負担を軽減する定期借地権を設定して貸付ける制度を新たに導入することといたしました。また、主要な公の施設のネーミングライツについても、来年度、専門業者に委託して民間企業の購入意欲に関する調査を行い、導入に向けて検討してまいります。さらに入札を実施しても落札されなかった土地など、現時点で利活用の方向性の見出せない県有地の情報を、今月21日から県のホームページに掲載し、民間の方々から幅広く利活用のアイデアや意見を募集する取組を開始したところであります。こうした取組に加え、資産の適正管理として、効果的・効率的な利用・管理を進めるファシリティマネジメントの導入にも新たに取り組んでまいります。これは、約1,400棟ある県の庁舎等を対象に、集約化や廃止により建物の総量を縮小するなどして、維持管理費の縮減や廃止した庁舎跡地等の有効活用を図るものであります。こうした取組を始めとして、今後も積極的に、県有資産の有効な利活用を進め、できる限り多くの歳入確保に努めてまいりたいと考えております。

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